「おうちdeえごま料理コンテスト 2023」を開催します。
えごまは東南アジア原産のシソ科の一年草で、古くより日本を含めたアジア各地で栽培されてきました。最近では「畑の魚」ともいわれるそのすぐれた栄養価が見直され、栽培地域が増加したり、さまざまな加工品が開発されたりしています。なかでも、実を搾ってつくるえごま油は、アレルギー疾患や生活習慣病の改善が期待できるオメガ3系脂肪酸(α-リノレン酸)を豊富に含む食品として、いま、大きな注目を集めています。
ポリフェノールの一種であるロスマリン酸、クロロフィル、ビタミンCなど、抗酸化作用にすぐれた成分が豊富に含まれています。
実とそれを搾ってつくるえごま油には、アレルギー疾患や生活習慣病の改善が期待できるオメガ3系脂肪酸(α-リノレン酸)が豊富に含まれています。
オメガ3系脂肪酸(α-リノレン酸)は、体内ではつくれない必須脂肪酸のひとつで、摂取すると代謝されてEPAやDHAになります。えごま油にも含まれており、その含有割合は約60%と、ほかの植物油にくらべて格段に高くなっています。
富山えごまの認知度を高め、より市民に愛され地域に根差す特産物となることをめざして、平成30年3月に地域ブランド「富山えごま」ロゴマークを公募により決定し商標登録をおこないました。現在約100品目の認定商品があり、富山えごまを使用した様々な商品が展開されています。(令和2年6月10日現在)
⇒富山えごま認定商品やロゴマーク申請についてはこちらえごまの生産・加工・流通などの総合的な推進を目的に設立された「富山市えごま6次産業化推進グループ」では、富山市山田地域にある植物栽培工場でえごまの生産をおこなうとともに、えごまを活用した商品の開発、試食会の開催や展示会への参加、SNSを活用した宣伝・普及をおこない、その消費拡大に取り組んでいます。
富山の元気の味方!「富山えごま」の普及啓発ポスターを制作しました。
「富山えごま」の認定商品を取り扱っておられる店舗のみなさま、富山市えごま6次産業化推進グループ会員のみなさま、是非この機会にご活用ください。以下のデータをプリントアウトしてご使用ください。
⇒富山えごまポスター (PDF 1,239kbyte)
富山市出身の女優・タレントで、特別副市長でもある柴田理恵さんと、富山市病院事業管理者 石田陽一 先生に、「えごま」の魅力について対談していただきました。
※フリーマガジン「02(ゼロニィ)」11月号(北日本新聞社発行)掲載
〈富山市特別副市長・タレント・女優〉
柴田理恵さん
〈富山市病院事業管理者〉
石田陽一 先生
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さきほど「富山えごま」をPRするCMの撮影を済ませたところですが、富山市で6次産業化(※1)が進むエゴマのことをよく知りませんでした。聞けば、大沢野地域や山田地域等で栽培しているそうですね。どういったところに注目が集まっているのか教えてください。
柴田さんは、DHAやEPA(※2)という言葉をお聞きになったことがあると思いますが、DHAはドコサヘキサエン酸、EPAはエイコサペンタエン酸の略称で、どちらも人間の体では作ることができない「必須脂肪酸」と呼ばれるものです。
はい、イワシやサバなど青魚に含まれ、血圧や中性脂肪などを下げる、と聞いたことがあります。でも、魚のお話と、エゴマとはどのようなつながりがあるのですか。
そのDHAやEPAの大元になるα-リノレン酸を多く含むのがエゴマなんです。だからエゴマは「畑の魚」とも呼ばれているんですよ。エゴマから作られるエゴマ油には、α-リノレン酸が豊富に含まれています。α-リノレン酸は最近よく耳にするオメガ3系脂肪酸という種類に分類され、この成分が体内で代謝されると、DHAやEPAになるわけです。
へえー、エゴマを食べると、DHAやEPAが自分の体の中でできるのですか。エゴマが「畑の魚」とは分かりやすい例えですね。そんなに体にいいものとは知りませんでした。
現代人は食生活の変化から、魚を食べる機会が減っていると言われています。ですが、魚の油に含まれるDHAやEPAといったオメガ3系脂肪酸は、健康増進のためにも効率的に取ってほしい栄養素です。厚生労働省は、オメガ3系脂肪酸の目標摂取量を1日2グラムとしています。イワシでいえば2匹分。毎日食べるとなると大変ですよね。でもエゴマ油はスプーン小さじ1〜2杯で同じくらいの量が取れます。魚だけでなく、エゴマから手軽に摂取することもおすすめなんですよ。
そんなに体にいいなら、うまいこと食生活に生かしていきたいですね。毎日ちょっとずつでいいですもん。エゴマオイルは冷蔵庫で固まらないので、ドレッシングにしやすいです。そのほかにも、おいしいメニューや主婦が使いやすいレシピがあれば、魅力が口コミで広まっていくと思います。
油というと、悪い物のイメージですが、実は油にもいろいろな種類があり、しっかり取りたい油と、できれば控えたい油があるんです。エゴマ油は、糖尿病や動脈硬化、生活習慣病の予防などに効果的なデータが出ています。葉っぱには抗酸化作用があります。ただ、エゴマで全ての症状が改善するわけではありません。肥満を避けることや適度な運動やバランスの良い食生活が大切です。魚も食べるけど、食べない時はエゴマでDHAやEPAを補給する「合わせ技」がいいと思います。
食事や運動、全部つながっているんですね。一つだけではなく、生活習慣を整え、継続的にやらないと健康の維持は難しい。健康に「魔法のつえ」はないんですね。私の生まれ故郷は八尾なのですが、中山間地域に誰も作っていない田んぼや畑がたくさんあり、見るたびに悲しい気持ちになります。そういったところでエゴマを栽培し、地域が元気になってほしいです。
エゴマの特産化により、仕事や雇用が生まれ、高齢者の生きがいになればさらによいですね。畑仕事は日光に当たるため、ストレス発散にもなります。
富山市は環境未来都市として、さまざまな課題を解決する成功事例を生み出す役割を担っていますよね。エゴマを産地化していくことで、市民の健康増進にもいい影響がありそうですし、農地の活用もすすむ。いいことづくめです。
その通りです。ただ、エゴマ油は酸化しやすい性質があり、せっかくいい油が取れても製品化が難しい面があります。しかし、富山には「くすりの富山」で培った技術力や開発力があります。油としてドレッシングにするとか、ソフトカプセルにするとか、食べやすいようにエゴマ油とオリーブオイルをブレンドした商品も開発しているようです。6次産業化ですから、生産・加工・販売をすべて行っています。消費が進めば、富山市全体にとってもいいことですし、体にもうれしいですよね。
中山間地域の畑がエゴマの葉で青々として、県民の皆さん、全国の皆さんへ、富山から体にいいものを届けられる。それほどうれしいことはないですね。流通量が増えれば、少しはお値段も安くなるはず。買いやすくなり、スーパーなどでおいしい食べ方や作り方などをPRすれば普及が進むと思います。
柴田さんが宣伝してくれれば、みんな買ってくれると思いますよ。「人生100年時代」と言われていますが、病気をしたり、体が不自由だったりしたら、長生きしたくないですよね。まだ健康な時期から、生活習慣を改善して、将来病気にならない、老化を防ぐといったアンチエイジングの考え方が大切です。それが健康寿命の延伸です。若い人には今からやってほしいですし、60代以上でも遅いことはありません。院長の立場とすれば、市民の皆さんが健康になってくれるのが一番の願いです。
これからは予防医学ですもんね。協力できることがあればどんどんお手伝いします。私も最近、自分の健康が気になっていました。初めて知ることだらけでしたが、きょうのお話を参考に、自分の生活にエゴマを取り入れてみようと思います。エゴマの6次産業化も大いにPRしていきます。本日はありがとうございました。
※1 6次産業化/生産者(1次産業者)が加工(2次産業)と流通・販売(3次産業)も行うこと。6次産業の「6」は、1次・2次・3次のそれぞれの数字を掛け算したもので、経営の多角化と新たな付加価値を生み出すことを意味している。
※2 DHAとEPA/オメガ3系脂肪酸に分類され、血液中のコレステロールを上げず、中性脂肪を下げる作用や血圧を下げる効果があるとされている。どちらも人間の体ではつくれず、魚の油などから摂取する。